「「昭和天皇実録」の謎を解く」半藤一利 御厨貴 磯田道史 保阪正康

「昭和天皇実録」の謎を解く (文春新書)
半藤 一利 御厨 貴 磯田 道史 保阪 正康
4166610090「昭和天皇実録」について、識者4人が読み解き語り合う。

「昭和天皇実録」は宮内庁が24年間かけて昭和天皇の生涯をまとめた公刊本。
昭和天皇の幼少時から激動の太平洋戦争時の苦悩まで非常に分かりやすい解説だ。実録にはあえて掲載していないこともあるようだ。いいイメージを残そうとしているのだろうか?

昭和天皇に戦争責任はあるのか?ないのか?軍部の暴走を止められなかった弱さ、操り人形のようにされてしまったなど回避できなかったことの責任はあるだろうと個人的には思う。

ただ、人間味溢れるお言葉や、国民を想う気持ちが深くあったことは一人の人間なんだなぁと安心した。

これも一方の意見だけではなく、色々な思想を持っている人たちの感想も聞いてみたと思った。

テーマ : 歴史関係書籍覚書
ジャンル : 本・雑誌

「一死、大罪を謝す 陸軍大臣阿南惟幾」角田 房子

一死、大罪を謝す 陸軍大臣阿南惟幾 (ちくま文庫)
角田 房子
4480432523太平洋戦争末期、終戦に向けての数日間を知る中で、阿南さんに興味が沸き 手にした1冊。

最後の陸軍大臣。終戦に最後まで反対していたが、最後は切腹により自決。
なぜ終戦に反対していたのか、なぜ自決したのか。

終戦に反対していたのは、ただ反対していた訳ではなく国体護持の確約を再度確認して欲しいとか、本土決戦なら勝機があるとか理由もあった。その裏には終戦が発表されて軍人さんたちが暴走しないようにとの配慮があったらしい。自決することで責任を取ったということらしい。らしいというのは、彼は何も残してないから。

そうか「腹芸」だったのか。と理解すると筋が通る事が多い。

著者は女性。
ただ憶測で彼の人物像に迫っているわけではなく、膨大な資料を基に検証している。もちろん欠点などにも触れている。司令官としては才能があったわけではないが、愛すべき人物で家族も大事にしている父親だった。

後半のポツダム宣言を受諾するしないの流れや、玉音盤を奪うためのクーデター「宮城事件」、阿南さんの自決まで映像が目に浮かぶような流れに引き込まれた。玉音盤を奪うためのクーデター未遂事件って、玉音盤に拘ってのことではなかったのかな?と今回初めて思った。もう少し色々な角度から知りたい。

色々な方たちの働きがあって、今の日本の平和があるのだと改めて感じた。

著者の角田房子氏、非常に読みやすく公平であるように努めているように感じられた。出版されている書物を調べたら、興味深い人物の評伝を多く書かれている。リストイン。


毎年夏の間に太平洋戦争関連の本を読むようになったが、興味を持ち始めると読みたい本がどんどん増えていく。季節関係なく飽きるまで読もうかと思っている。もっと知りたい。

テーマ : 歴史関係書籍覚書
ジャンル : 本・雑誌

「帰ってきたヒトラー(上・下)」ティムール・ヴェルメシュ

帰ってきたヒトラー 上 (河出文庫 )
ティムール・ヴェルメシュ 森内 薫
430946422X
帰ってきたヒトラー 下 (河出文庫)
ティムール ヴェルメシュ 森内 薫
4309464238

話題になっててずっと読みたかった本。文庫になるまで待っていた。
ふと、近所の本屋で見覚えのある表紙を見つけて即購入。
映画化されていたもの知らなかった!

楽しみにしていたのに、上巻の半分くらいまで退屈で…
本当に世界でベストセラーになったの??

ところがヒトラーがTVに出るようになってから先が気になり面白くなってきた。
ヒトラーと人々の会話が噛み合ってなくて笑ってしまったり、ヒヤヒヤしたり。
いつの間にか引き込まれて読み切ってしまった。

数年前に「意志の勝利」という記録映画を見た事がある。
http://kokodewa.blog26.fc2.com/blog-entry-553.html
ナチスの党大会を記録したプロパガンダ映画。
本物のヒトラーの演説に魅了されてしまった。
当時の人々が熱狂して洗脳されてしまうのも分かる。
演説力?のようなものがあるのだろうか。

現代に蘇った本書内のヒトラーにもそんな魅力がある。
キャラクターとしていじりやすいのはある。
しかし、触れてはいけないタブーのようなものが存在しているにも関わらずだ。
日本で売れている以上にドイツやヨーロッパでベストセラーって驚異的。
これを面白がれるくらい月日が経っているという事なのか。

読み終わって複雑な気持ちではある。
確かに面白かった。
でも彼のしてきた事は許される事ではないし、今でも苦しんでいる人々が沢山いる。
笑い飛ばせるくらい平和になったのかな。

テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

「聖断―昭和天皇と鈴木貫太郎」半藤 一利

聖断―昭和天皇と鈴木貫太郎
半藤 一利
4569629849毎年夏の間は太平洋戦争関連の本を読んでいる。今年チョイスしたのはこの本。

鈴木貫太郎って、終戦の時の総理大臣…という認識しかなかった。
以前読んだ「昭和天皇独白録」で、昭和天皇が信頼を寄せいていた人物だったと書いてあったっけ?というのは読んでいるうちに思い出した。

大変なご苦労をされ、日本の為に死力を尽くした方なのだと知った。
そして昭和天皇が本当に戦争を回避したく思っていたこと、孤独であった事、胸が痛くなる。

子供の頃は日本は原爆を落とされた可哀そうな国、悪いのは東條と昭和天皇、と刷り込まれてきた。

太平洋戦争について本当の事が知りたいと興味を持つようになって学ぶうちに、軍隊による暴走、世論、思い上がった一部の人物によって戦争を引き起こし悪化していったのだと理解した。もちろん、日本だけの事ではなく世界各国の問題もあったろうが。

阿南さんについても、最初は軍隊の長で悪い人物という印象だった。色々な文献を読んで彼の人柄や本心などを知るにつれて何とも言えない気持ちになった。

国を思う気持ちは熱く、調整役として苦しい場面もあったのだろう。自決してしまったのも残念であるがケジメとして、この時代では仕方がなかった。阿南さんについて書かれたものを読みたいのだけれど、意外とないんだよね。

ボリュームはあったが読みやすく、非常に読み応えのある1冊だった。半藤さんの著書は何を読んでもいい。

人に勧めたくなるが、周りに理解してくれて共感してくれる人がいないのが残念だ。


テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

2016年8月の読書メーター

2016年8月の読書メーター
読んだ本の数:1冊
読んだページ数:397ページ
ナイス数:0ナイス

聖断―昭和天皇と鈴木貫太郎聖断―昭和天皇と鈴木貫太郎
読了日:8月31日 著者:半藤一利

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