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「帰ってきたヒトラー(上・下)」ティムール・ヴェルメシュ

帰ってきたヒトラー 上 (河出文庫 )
ティムール・ヴェルメシュ 森内 薫
430946422X
帰ってきたヒトラー 下 (河出文庫)
ティムール ヴェルメシュ 森内 薫
4309464238

話題になっててずっと読みたかった本。文庫になるまで待っていた。
ふと、近所の本屋で見覚えのある表紙を見つけて即購入。
映画化されていたもの知らなかった!

楽しみにしていたのに、上巻の半分くらいまで退屈で…
本当に世界でベストセラーになったの??

ところがヒトラーがTVに出るようになってから先が気になり面白くなってきた。
ヒトラーと人々の会話が噛み合ってなくて笑ってしまったり、ヒヤヒヤしたり。
いつの間にか引き込まれて読み切ってしまった。

数年前に「意志の勝利」という記録映画を見た事がある。
http://kokodewa.blog26.fc2.com/blog-entry-553.html
ナチスの党大会を記録したプロパガンダ映画。
本物のヒトラーの演説に魅了されてしまった。
当時の人々が熱狂して洗脳されてしまうのも分かる。
演説力?のようなものがあるのだろうか。

現代に蘇った本書内のヒトラーにもそんな魅力がある。
キャラクターとしていじりやすいのはある。
しかし、触れてはいけないタブーのようなものが存在しているにも関わらずだ。
日本で売れている以上にドイツやヨーロッパでベストセラーって驚異的。
これを面白がれるくらい月日が経っているという事なのか。

読み終わって複雑な気持ちではある。
確かに面白かった。
でも彼のしてきた事は許される事ではないし、今でも苦しんでいる人々が沢山いる。
笑い飛ばせるくらい平和になったのかな。

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「聖断―昭和天皇と鈴木貫太郎」半藤 一利

聖断―昭和天皇と鈴木貫太郎
半藤 一利
4569629849毎年夏の間は太平洋戦争関連の本を読んでいる。今年チョイスしたのはこの本。

鈴木貫太郎って、終戦の時の総理大臣…という認識しかなかった。
以前読んだ「昭和天皇独白録」で、昭和天皇が信頼を寄せいていた人物だったと書いてあったっけ?というのは読んでいるうちに思い出した。

大変なご苦労をされ、日本の為に死力を尽くした方なのだと知った。
そして昭和天皇が本当に戦争を回避したく思っていたこと、孤独であった事、胸が痛くなる。

子供の頃は日本は原爆を落とされた可哀そうな国、悪いのは東條と昭和天皇、と刷り込まれてきた。

太平洋戦争について本当の事が知りたいと興味を持つようになって学ぶうちに、軍隊による暴走、世論、思い上がった一部の人物によって戦争を引き起こし悪化していったのだと理解した。もちろん、日本だけの事ではなく世界各国の問題もあったろうが。

阿南さんについても、最初は軍隊の長で悪い人物という印象だった。色々な文献を読んで彼の人柄や本心などを知るにつれて何とも言えない気持ちになった。

国を思う気持ちは熱く、調整役として苦しい場面もあったのだろう。自決してしまったのも残念であるがケジメとして、この時代では仕方がなかった。阿南さんについて書かれたものを読みたいのだけれど、意外とないんだよね。

ボリュームはあったが読みやすく、非常に読み応えのある1冊だった。半藤さんの著書は何を読んでもいい。

人に勧めたくなるが、周りに理解してくれて共感してくれる人がいないのが残念だ。


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「ヒロシマ・ナガサキ 二重被爆」山口 彊

ヒロシマ・ナガサキ 二重被爆 (朝日文庫)
山口 彊
4022616334二重被爆の方がいる。と知ったのは「世界一運が悪い男」とイギリスの番組で山口さんが笑いの種にされたとのニュースだった。その後、ドキュメンタリーで彼のインタビューを見た記憶がある。

そしてその方が書いた著書がある事を最近知って購入。既に亡くなられているが93歳までご存命だった。長生きされてはいるが、その人生が困難で苦しいものだった事は想像に難くない。

弁論大会に出たり短歌をやっていただけあって、文才もあったようだ。半分くらいまでは幼少の頃からの自伝のようなも。広島で被爆してからの描写が淡々としてはいるが、地獄絵図が目に浮かぶような恐ろしい風景が続く。書き出すのに苦痛が伴ったのではないだろうか。

そのような事態でまさか電車が走っているなんて。そして長崎まで向かった多くの人がいたなんて知らなかった。やっと長崎に戻り家族と再会して安堵したのもつかの間。またピカドン。

戦後は、英語の先生をやったり通訳をしたりした後に、三菱造船に復職し定年まで勤めている。息子さんが癌で亡くなったのをきっかけに、自分の体験を語ろうと思うようになったそうだ。

こんな恐ろしい戦争があったのに、核を保有する国があり争いも絶えない。

長崎には2度訪れたことがある。関東以外に住むなら長崎以外考えれないと思うくらい、気に入った。海や山があり自然が多い。路面電車、坂、教会、大好きなちゃんぽん。そして原爆の爪あとが残る場所も。爆心地跡に行っても緑豊かで、焼け野原だったなんて信じられなかった。

広島は行ったことがなかったが、今年の秋頃に旅行する予定。
一人ひとりの力は小さくでも語り継いでいくべきものだし、戦争は絶対ダメといい続けなくてはいけない。

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「ノモンハンの夏」半藤 一利

ノモンハンの夏 (文春文庫)
半藤 一利
B009DECUYS太平洋戦争の前に、ソ連との国境で起きた紛争。ただの小競り合いで1冊の本が書けるほどなのか…と読む前には思ったが、悲劇としか言いようがなく虚しく怒りを覚える争いだ。

「日本軍の下士官兵は頑強で勇敢であり、青年将校は狂信的な頑強さで戦うが、高級将校は無能である」ソ連の司令官であるジューコフがこう言ったそうだが、まさにその通り。そしてその為に多くの命が失われた。

半藤氏の感情を抑えつつも文面から滲み出る怒りに共感した。まともな考えを持つ陸軍の幹部が多くいたら、避けられたのではと思える事件だ。勝てる見込みのない事が明らかなのに、戦争したがるのは何故だろう。愚かで幼稚だ。

辻政信という人物について、戦時中はもちろん戦後の言動にも怒りを覚えるが、実際はどうだったんだろう。戦犯に指名されても逃亡し、国会議員にもなっている。人を(悪い意味で)惹きつける何かがあったのだろうか。

これを読む前に広田弘毅氏についての本を読んだが、その時にも感じたのは、今では考えられないような感覚の軍隊の体質と一部の戦争したがる連中によって、避ける事も可能だったかもしれない戦争が起きてしまったと言っても大げさではないのでは。

読後はグッタリ。
太平洋戦争だけじゃなく、この事件についてももっと多くの人に知ってもらいたい。

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