「千年紀の民」J・G・バラード

千年紀の民 (海外文学セレクション)
J・G・バラード 増田 まもる
4488016502せっかくハードカバーで買ったけど、なんか似たようなの読んだことあるなーって感じで。
「殺す」とか「コカイン・ナイト」とか。コミュニティーが崩壊していくジワジワ。
登場人物も他で見たような人たちだし。

好きだからこそちょっとガッカリ。

テーマ : 最近読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

「人生の奇跡 J・G・バラード自伝」J・G・バラード

人生の奇跡 J・G・バラード自伝 (キイ・ライブラリー)
J・G・バラード 柳下 毅一郎
448801528XSF作家としてのバラードが好きだった私は、「太陽の帝国」はあえて目にしなかった。しかし、彼のバックボーンとして当時の体験は外せないものと知ったのは「J・G・バラードの千年王国ユーザーズガイド」を読んでから。

「人生の奇跡」は彼の生涯を綴った自伝。上海で子供時代過ごし、戦争中には日本軍の収容所に抑留される。結婚し作家デビュー。奥さまを亡くし一人で子供を育てる。といった内容を淡々描いている。ともすれば退屈に感じてしまうかもしれないけれど、彼の文章に引き込まれてぐいぐい読んだ。

中でも興味深かったのはやはり収容所の話し。これを知って彼の作品を読むといかにこの時期の体験が強烈に染みついているか知ることが出来る。
「原爆のおかげで日本人以外の命も救われた」(81p)。日本人としてだけではなく違った角度から原爆を語ると世界が見えてくる。戦争が早く終われば日本だけでなく他国の罪のない人々の命も助かるということだ。ここでは原爆の是非ではなく。

あとは家族への愛情深さ。亡くなった奥さまへの愛。3人の子供たちへの愛。こんなにも愛情深い人だったのかと。

ますますバラードが好きになった。読む前から十分好きなんだけど。もう新作が読めなくとも彼の作品も大好き。「太陽の帝国」も見たくなった。

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「第三次世界大戦秘史」J・G バラード

第三次世界大戦秘史 (福武文庫)
J・G バラード J.G. Ballard

ネットで購入。バラードの短編集。
実験的な形式だったり、その後につながるモチーフなどファンならニヤリとしてしまう作品が集められている。


・ウォー・フィーバー
内戦中の兵士。なぜ戦争がなくならないのか。
戦争が存続する事で自分も生かされているという皮肉な現実。

・第三次世界大戦秘史
大人気の大統領ロナルド・レーガン。病気でも国民の関心が高い(高過ぎる)。みんながレーガンに夢中の間に第三次世界大戦が開戦され終結。たった数分の戦争は、ほとんど誰にも知られていない。こういう事ってありそうでうすら寒い。

・夢の船荷
化学廃棄物を積んだまま1人残った乗務員とともに無人島にたどり着いた船。化学廃棄物が船から漏れて島の動植物に影響を与える。こんもりと茂った草花の色鮮やかなパラダイス。「夢幻会社」を思い出した。美しい。

・攻撃目標
精神病者の戯言みたいで分かりにくかった。

・エイズ時代の愛
出生率が低下した為に、男女のカップリングを強制的に行っている世界。普通の恋愛は禁止。現代の日本も出生率が低下し離婚率が高まっている。笑えない。

・世界最大のテーマ・パーク
海沿岸のリゾート地が変容する様は、「コカイン・ナイト」を彷彿させる。この短編集はその後につながるモチーフが散りばめられているのにニヤニヤさせられる。

・尋問事項に答える
尋問の回答らしきものだけがつづられている。分かりそうで分からない。試みとしては面白いと思う。

・航空機事故
航空機が墜落したらしいというニュースを聞いて、他の取材をほっぽり出して現場に向かおうとする主人公。奥深く山へ向かって行くにつれて言葉が通じない原住民たちに導かれるまま更に進んでいく。どこか別の空間に迷い込んでしまったような感じは小松左京の作品で何かあったね。

・未確認宇宙ステーションに関する報告
宇宙ステーションに着陸するも無人の様子。調べ回るにつれてどこまでも拡大していく宇宙ステーション。永遠の迷路。

・月の上を歩いた男
元宇宙飛行士を名乗って観光客を相手に商売をしている男。インチキ臭くても偽物でも観光客にはどうでもいいものなんだ。ちょっと記念に的な。その男に魅了された男が身を落とし後を引き継ぐ。映画のワンシーンみたいだった。

・巨大な空間
妻に家を出て行かれてしまい、会社に行くことも辞めて家に閉じこもってしまう男。
食糧も尽き、狂気に走り堕ちてゆく姿が怖い。

・宇宙時代の記憶
見捨てられた宇宙センターや飛行機、砂っぽい空気、この世界観がまさにバラード。心地よい。

・精神錯乱にいたるまでのノート
断片的過ぎて表面しか拾えない。

・索引
索引から人物を探る作りになってるんだけど、これもまた読み解くのが難しい。
ライトに楽しめばいいのかな。

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「殺す」J・G・バラード

殺す (創元SF文庫)
J・G・バラード 山田 順子
4488629148
アマゾンの紹介だと
「ロンドン郊外の高級住宅地で発生した大量殺人事件。三十二人の大人全員が惨殺され十三人の子供が誘された。精神分析医グレヴィルは迷宮入りしかけた事件の調査に乗りだす。鬼才作家が現代社会の病に挑んだ予言の書。」

100ページちょっとと短いが、バラードらしいクールでゾクゾクさせられる内容で。
SFというかミステリー?でもない、やっぱりバラードワールド。
犯人もすぐ分かってしまうんだけど犯人たちの声が全く聞けない為、不気味さが残る。

読み終わったばかりの時はイマイチだったかなぁ~と思ったけど、あとからジワジワきた。

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「夢幻会社」J・G・バラード

夢幻会社 (創元SF文庫)
J.G. Ballard 増田 まもる
4488629105J・G・バラードが亡くなって、久しぶりに彼の作品を読んでみようと思った。
これは、初めて読んだ本。記録を調べたら93年。20歳の時だ。

よくもまぁ、これを読んでバラードのファンになったもんだ(笑)

全裸の主人公と、色とりどりに咲き乱れる花々やジャングルのイメージが強烈に印象に残っていて、内容はいまいち覚えてなかった。


「クラッシュ」を彷彿させるエロス描写はあるものの、幻想的な分こちらはソフトだし、なんと言っても楽園に変貌した町の様子が非常に美しい。主人公が全裸でブラブラしていたり、精液が飛び散ったりしても嫌悪感はない。

それにしても・・・
正常に機能していた町が変化していく様は、他の作品にも共通する部分。
普通の暮らしが狂気へと変わり、人々が操られたかのように動き回る姿は、自分自身も魔法にかかってしまったかのような感覚に陥る。バラードマジックだな。

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