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お気に入りの本の紹介


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2006/12/19 / 23:43

虹の天象儀
瀬名 秀明
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偶然だが、先日読んだいしいしんじさんの「プラネタリウムのふたご」に続いて、プラネタリウムの物語を手にした。

実在した東京・渋谷の五島プラネタリウムが閉館した後、1人の少年が現れ、主人公が過去へタイムスリップする・・・物語。

瀬名さんの描くSFは、温かくて、優しい。希望を感じ、未来を期待する気持ちになる。タイトルもイメージが増幅するような素敵なタイトル。

「思いが残る」
自分の存在が消えても、思いが残る。素敵な表現だ。
子供の頃、夜空の星を見上げた時に「あの星は何百年前に生きていた人も見た同じ星だろうか。」と思った事がある。目に見えない何かが訴えてくるように感じた。
私が消えても、私の思いを受け止めてくれる誰かがいるのだろうか。

読み終えた後、夜空を見上げ、静かに佇み、願い事をしたくなる。


プラネタリウムの投影機なんて、全く興味がなかったけれど、この小説に登場するカール・ツァイス製のプラネタリウム投影機は、繊細で精密で美しい。プラネタリウムへ行く機会があったら、是非投影機をチェックしてみたい。

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2006/03/09 / 15:17

ハル
瀬名 秀明
4167679582短編集かと思ったら、連作中編5つの物語がリンクしているロボットと人間との関わりを書いた物語。
漫画や小説で悲しくて泣いた事はあるけれど、心が温かくなり、気持ちが溢れて涙になるのは初めての事だ。

作者の瀬名さんが「パラサイト・イヴ」でデビューし、ベストセラーになった時は、興味はあったけれど、敬遠してしまい、随分経ってから「八月の博物館」「Brain valley」、そして先日「パラサイト・イヴ」を読んだ。
どの作品にも衝撃を受け、楽しませてもらったが、今回読んだ「ハル」は今まで私が読んだ数多くの本の中でも、好きな一冊になるであろうと思う程、心に残った。

私は手塚治虫の描く未来の情景が大好き。温もりを感じるのだ。丸みのある建物や優しい顔のロボット達。
私はSFが大好きで、主に海外SFを好んで読む事が多いが、映画化されるSFの情景はなんともガッカリするものばかりだ。建物にも、人間にもロボット(アンドロイド)にも体温を感じない。

そんな事と比較してみても、この作品はSFや手塚治虫への愛情溢れるオマージュも伝わってきて、SFファンとしても嬉しい限りだ。ロボットと人間の関わりって、現実問題になるとこういう感じかな?と言うのがリアルだし、温かさを感じた。

うまく言葉に出来ないんだけど、普段読む事が多い海外SFは、古い物が多いし、日本人が主人公でもないから、非日常感がたっぷりで、非現実的なトリップ感が好きなんだけど、この作品は身近に感じるような事も多く、迫ってくる人々の感情も熱く、手塚治虫、アトムと言うキーワードが実体験と混ざり合って、様々な想いが駆巡った。

実際ロボットが生活に関わって、書かれているような世界になるのはあり得るだろうし、そうなって欲しいと願う。特に介護や危険地帯での作業をするようなロボットは、早く普及して欲しいと思う。

「八月の博物館」を読んだ時もそうだったけど、何処か懐かしく、見覚えのある風景のようで、でも、書かれている事は未来の事であったり、ファンタジーっぽいところもあったりする。
この感情はなんだろう。未来を見ているはずなのに哀愁を感じ、異常に共感してしまい、いろんな感情が溢れて止まらず、胸がいっぱいになるのだ。こんな作品を求めていた、待っていた!と言う気分なのだ。

これからの瀬名さんの作家活動に大いに期待したいし、このジャンルの作品をもっと読んでみたいと思う。              

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2006/01/16 / 13:52

パラサイト・イヴ
瀬名 秀明
4043405014初めて瀬名さんの作品を読んだのは「八月の博物館」が最初。
「パラサイト・イブ」でデビューし、日本ホラー小説大賞をとったとか、映画化されたとかで彼の事は知っていて、その頃から多少興味は持っていた。でも、話題の本やベストセラーに背を向けてしまう私が手にする事はなく、「八月の博物館」、「Brain valley」を読み、ようやくここに辿り着いた。

ミトコンドリアが進化・・・変化し、人間を超越した存在になりかわろうとする話しで、聞き慣れない専門用語が出てくるが、理解せずとも、多少読み飛ばしても面白さは充分理解する事が出来る。また、巻末には専門用語の解説も付いているので、助けにもなる。

読み始めは自分が健康体で体の不自由もなく生きている事に感謝したくなるような・・・、気分にさせられ、旦那に「私が死んだら腎は必要な人がいれば使って欲しい」と話した(苦)。
読み進めていくにつれ、自分の体が多くの細胞から出来ていて、正常に働いてくれているから、こうして健康でいられるのだと分り、ミトコンドリアなんて、学生の時に多少聞いた名前で、当時は教科書の中の単語程度のものだったけど、深い。

変態(変身)シーンやイブのドロドロ描写はちょっと気持ち悪いけど、ホラーって聞いてイメージするような怖さや恐怖感はないかな。
内容や、作者の描写も素晴らしいと思うけれど、それ以上に、生命の起源や体の体の仕組みに興味が沸いてしまいました(苦)

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