BookBook Blog

0

「ツィス」広瀬正

ツィス 広瀬正・小説全集・2 (広瀬正・小説全集) (集英社文庫)
広瀬 正
408746346X神奈川で発生したツィス音(二点嬰ハ音 鍵盤で言うと)が絶えず鳴り響くという謎の現象。しだいに東京でも発生し、音が拡大していく…



「マイナス・ゼロ」があまりにも面白かったので、他の作品も読んでみたいと思い購入。

「マイナス・ゼロ」はタイムトラベルで、こちらはパニックSF…と言ってもなんだか緩い空気も流れつつ、古き良き懐かしいSF。服装や家電なんかが昭和。若い子や女の子のノリも昭和。今では使われていない(使えない)差別用語と言われる言葉もバンバン出てくる。

「ゴキゲン!」って流行ってたのか?オイネちゃんの明るいキャラが物語を柔らかくしてくれる。ダサいとか古いって感覚じゃなくて安心して読める。


結末(オチ)にはニヤリとしてしまったが、人によっては「はぁ??これで終わり?」って不満を持つかもしれない。ニヤリと出来て良かった。

内容を知らずに読み始めたんだけど、ツィス音は地震みたいなもんだって。音が酷くなるにつれて生活に支障が出たり、ついには疎開する羽目にもなり、震災後の東京のプチパニックと被る部分もあってゾッとした。

小松左京が読みたくなったんだけど、引っ越し後に地震が来たので本棚を組立てられず、本の入った段ボールも開けておらず、どこに入っているか探すだけで一苦労なので、当分読めないかもしれない。


解説が司馬遼太郎さん!

0

「マイナス・ゼロ」広瀬正

マイナス・ゼロ 広瀬正・小説全集・1 (広瀬正・小説全集) (集英社文庫)
4087463249SF好きといいながら、なぜ今まで手にした事がなかったんだろう!
もちろん名前は知っていて、「いつか買おうリスト」にこの小説も入っていて、時間つぶすために入った本屋で見つけて購入。

タイムトラベルもので…なんて書いてあると、あぁ~って知ったような気になってしまうが、今まで読んだどのタイムトラベルものとも違う。
何が違うって、まず日本人が書いた日本が舞台の物語だからだ。

翻訳SFを読む時は、街の描写や小道具などもなんとなくイメージして、なんとなく雰囲気を楽しむんだけど、過去の自分が生まれてない時代の日本とはいえ、知った地名や親しんできた時代の事が書かれていれば、自然とのめり込み度も強くなり、より深く作品を理解する事が出来るように思う。

戦後の銀座の街並みや町行く人たちの服装、下町の様子など、体験していなくてもノスタルジーを感じる。


もちろんそれだけでなく、脚本もしっかりしており、タイムパラドックスも彼自身の解釈できちんとまとめている。最後に謎が次々と解明していくのだが、同じ過去のシーンを読み直したりしながらジックリと読み終えた。
ディックの辻褄が合わないハチャメチャさも好きだけど、きちんと謎が解けてスッキリすると読後が気持ちいい(笑)

520ページとボリュームがあるにもかかわらず、長さは感じなかった。
早く先が読みたくて、でも読み終えてしまうのは勿体無くてワクワクしながら通勤中の短い時間を楽しむことが出来た。

登場人物もみんないいキャラで、人がいい。
こういう作品こそ、実写映画化したら面白いんじゃないかな!


一度好きになった作家の作品は、とことん読みたくなるのだが、広瀬氏は若くして亡くなっているのか…。
これも含めて復刊されているものが多いので、集めてみようと思う。

このカテゴリーに該当する記事はありません。