「増補 夢の遠近法: 初期作品選 」山尾 悠子

増補 夢の遠近法: 初期作品選 (ちくま文庫)
山尾 悠子
4480432221本との出合いは不思議なものだ。

好きなミュージシャンが読んでいて彼が読んでるから…とディックやギブスンを読み始めてSFにハマッたのが高校生の時。私には意味が分からなかったけど、貴方なら好きそうと本好きの友達に薦められたポール・オースター。別の本好きの友達に薦められた椎名誠。冒険好きのオッサンかと思ったら、SF大好きな不思議小説を書く素敵なオジサマだった。サイン会にまで行ってしまった。

関連する作家を辿って好きになる事もある。山尾さんとの出会いも引き寄せられたとしか言いようがないものだった。しばらく放置していた「小松左京マガジン」で間瀬純子さんの作品を読んで衝撃を受け、出版されている作品はないか調べていたところ、山尾悠子さんに出会った。

初めて読んだ「ラピスラズリ」。
なんて幻想的で美しい作品なんだろう。一目惚れ。

しかも私は運がいい。彼女は30~40年前に活躍した作家。2000年を過ぎてから作品集が出たり文庫化されたりしている。しかし古いものは高額なものが多い。

「ラピスラズリ」の文庫本は2012年に発売されて、「増補 夢の遠近法 初期作品選」は2014年に文庫本で出てるので読むことが出来た。この作品集、読み終わるのが勿体無いというよりも、ジックリ噛み締めるように味わいたくて、読むのに時間がかかってしまった。濃縮された素晴らしい作品たち。幻想小説に分類されるようだが、幾何学な絵画や中世の不思議な絵画を眺めているような感覚。

私が読んだことのある作家の中では、安部公房や佐藤亜紀に近いが、近いが全く別物だ。

感想を書きたいのに気持ちを表現するのに適切な言葉が見つからない。彼女の作品のレビューを見ていると、同じ気持ちの人たちが多くて嬉しい。彼らとは友達になれてしまうんじゃないかと思ってしまう(笑)

収録作品の中でお気に入りは最初の「夢の棲む街」、「遠近法」、「パラス・アテネ」かな。「遠近法」を読んでボルヘスの「バベルの図書館」読みたくなった。巻末の「自作解説」もまたいい。情報が少ない方なので、ご本人の解説があるんなんてたまらん。

彼女の作品なら高額でも読みたいと思ってしまう。どの作品も独自の色があってひんやりと美しい。

収録作品
「夢の棲む街」
「月蝕」
「ムーンゲイト」
「遠近法」
腸詰宇宙。世界観が面白い。小説の映像化よりも絵画で表現されたら素晴らしいと思う。
「パラス・アテネ」
映像が目に浮かぶような言葉たち。狼や土地神など古い風習のように見えてサスペンスぽかったり、赤い繭なんて美しいイメージがあったり。
「童話・支那風小夜曲集」
「透明族に関するエスキス」
「私はその男にハンザ街で出会った」
「傳説」
「遠近法・補遺」
「月齢」
「眠れる美女」
「天使論」


色々調べていたら、こんなページを見つけたのだけれど、手に入らなくなってる「角砂糖の日」が復刊されるのかな?
http://www.librairie6.com/exhibitions.html
12月企画 山尾悠子「角砂糖の日」出版記念展

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「ラピスラズリ」山尾 悠子

ラピスラズリ (ちくま文庫)
山尾 悠子
4480429018小松左京マガジンで間瀬純子さんの作品を読んで衝撃を受け、出版されている作品はないか調べていたところ、山尾 悠子さんに出会った。

短編集かと思ったら、連作。冒頭に出てくる3枚の銅版画をめぐる話しかと思いきや…
時代を超えた冬眠者の物語とでもいうのだろうか。そんな簡単な言葉では説明するのが申し訳ない気がしてしまう。

言葉の使い方の美しさ、西洋のお伽噺のような幻想的で魅惑的な情景。長い長い夢を見ているかのような感覚。最初は戸惑ったが、読み進むにつれてグングン読めてしまい、読み終わるのがもったいないと感じたほど、素敵な世界だった。もっと読みたい。

長い事、小説は書いてなかったそうで、出版数がとても少ない。残念だ。こんな風に美しい小説を書ける人は少ないのではないだろうか。

テーマ : 読んだ本。
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    P・K・ディック、J・G・バラード、ウィリアム・ギブソン、小松左京、ポール・オースター、F・カフカ、安部公房 etc…
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