「ハリー・オーガスト、15回目の人生」クレア・ノース

ハリー・オーガスト、15回目の人生
前世の記憶を持ったまま何度も生まれ変わり、人生を繰り返すハリー・オーガストの物語。いわゆるループものだ。

繰り返す人生の中で同じ体質を持つ仲間と出会ったり、色々な経験をして知識を高め人生を謳歌している。仲間たちは世界中におり、組織化したクロノス・クラブとして活動している。歴史を改変しないように見張ったり、生まれてくる同類たちを支援している。一方でクロノス・クラブに属さず、自分の欲求に従って行動している者もいる。

何度目かの人生で世界の終りが早まっていることを知り、元凶を探り始めるハリー。その元凶は宿敵となるヴィンセント。過去の人生で友情を育み、濃密な関係を築いたことのある男だった。

後半は、この世の全ての謎を解明できる「量子ミラー」の開発に執念を燃やすヴィンセントと、それを阻止しようとするハリーの戦いとなっていく。

ハリーに対するヴィンセントへの歪んだ愛情。これが狂気じみているのに笑っちゃうような滑稽さがあって、何だか可愛らしく思えてしまうのだ。ホモなんじゃないか?と噂が出るほどいつも一緒。ハリーのことが大好き!だけど、君のためを思って殺すよ、記憶を消去するよ!僕の邪魔をしないでくれ!。それに対してハリーは苦悩しながらも冷静に策を練っていく。

ラストは切なく美しく、壮大なスケールになった物語を上手くまとめたな~と作者の手腕に感服した。


人生の一時期を繰り返す訳ではなく、生まれるところから死ぬまでを何度も繰り返す。何百歳も生きてきた知識があるのに、体は子供で過ごさなくてはいけない時期もある。死ぬ時の苦痛も覚えている。何度も何度も繰り返す人生。幸せかなぁ。あの頃に戻ってやり直したいな~と思うこともあるけど、私は一度の人生でもいいかな。

著者は別の名義で作品を出しているそうだが、クレア・ノースでは出してないのかな?と調べたら、近々新刊が出る!チェックしておこう!

テーマ : SF小説
ジャンル : 本・雑誌

月の記憶―アポロ宇宙飛行士たちの「その後」 アンドリュー・スミス

月の記憶―アポロ宇宙飛行士たちの「その後」〈上〉
月の記憶―アポロ宇宙飛行士たちの「その後」〈下〉
月の記憶―アポロ宇宙飛行士たちの「その後」〈上〉月の記憶―アポロ宇宙飛行士たちの「その後」〈下〉「アルテミス」を読んだ後、月に関連するクールな本が読みたいと思い、本棚から引っ張り出した。かれこれ読むのは4回目だ。お気に入りなんだもの。

これが執筆された当時はムーンウォーカーは12人中9人が存命だったが、現在は5人。その後、月面着陸の計画も聞かない。それだけお金もかかるし大変なミッションなのだろう。それを1970年代にやってしまったのが凄いよなぁ~と改めて思う。

これを読むと、映像が見たくなる。月の美しい映像。


過去の感想。
http://bookbookman.blog20.fc2.com/blog-entry-40.html
http://bookbookman.blog20.fc2.com/blog-entry-141.html

テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

「パルプ」チャールズ ブコウスキー

パルプ
ろくでなしの私立探偵ビレーンが主人公。
お酒にタバコ、ギャンブル、女にめっぽう弱い、お腹も出てる。仕事もロクにしないので貧乏。口も態度も悪いバツ3のダメ男。

登場人物たちもメチャクチャ。宇宙人が出てきたり、探偵への依頼内容も雲をつかむような不可解な頼みごとだったり…。妄想なのか?と思うようなハチャメチャさ。テンポの良さで読めてしまったが、うーーーん。どこまでも首を傾げたくなるような、やり場のないモヤモヤ感。このモヤモヤを引きずってるってことは、いつの間にか魅了されているのだろうか?いや、魅了されたくない(笑)。

柴田元幸さんが翻訳されていて、あちこちのレビューも良かったので購入したんだけど、私にはこの作品の面白さが理解できなかった。人それぞれの感じ方があるだろうけど、何で高評価なのか不思議に思えてしまう。

他のブコウスキー作品はどうなんだろう?… って…気になってる??
赤い雀って何だったんだろう… って… あれ?気になってる??

テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

「伝奇集」J.L. ボルヘス

伝奇集 (岩波文庫)
J.L. ボルヘス 鼓 直
4003279212山尾悠子氏の短編「遠近法」を読んだ時、ボルヘスの「バベルの図書館」に影響を受けたとあり、ボルヘスに興味が沸いた。

ところが…通勤中に読んでいたんだけど 読み始めて頭に入ってこないので寝てしまい、また読み直し、また寝る…の繰り返しで進まず。読書していて投げ出したいと思うことはほとんどないんだけど、お手上げ。
1冊別の本を読んで休んでから再開。

難解というか読んでいても面白みどころか、何を言わんとしているのかつかめずイメージも沸かず。レビューは割と好評価なんだけど、みんな理解してるのかな?翻訳のせい?

意味がつかめた作品もあって、後半はスムーズに読み進めたけど何が凄いのか、面白いのかが理解出来ず…他の作品を読んだらまた違うのかな?

こんな読書経験はあまりない。

テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

「キャッチ=22」ジョーゼフ・ヘラー

キャッチ=22〈上・下〉 (1977年) (ハヤカワ文庫―NV)
ジョーゼフ・ヘラー 飛田 茂雄
B000J8U3RS読み終わるのに3か月もかかってしまった。
上巻の1/3ほどで読むのを諦めてそうになる読み難さは苦行のようだった。途中で読むのを諦めたくないという意地と、レビューを見ると高評価なのでなんとか読み進める。読みにくいのは時間軸が入れ替わっているためだと知るが、知ったところで読みやすくなる訳でもなく。

ヨッサリアンや他の人物たちのキャラが分かるようになり、上巻の後半になってようやく面白みが出てきた。

ヨッサリアンだけでなく、みんな狂ってる。メイジャーが部屋にいる時は誰も入ってはいけなくて、不在時は部屋に入っても良いという。永遠に彼に会えない。 マイローの食糧調達の話しも面白い。分列行進とか飛行回数とか戦争中には仕方がないことも滑稽に見えてしまう。

下巻に入ったら上巻の苦痛が嘘のように面白さが増してきた。
だんだんとシリアスな内容になってきて、どんどん人が死んでいく。スノードンが死んでいくところ、ヨッサリアンの「よしよし」には胸が苦しく悲しくなった。「よしよし」引きずりそうだ…

戦争って不条理なもの。兵士たちは使い捨て。上官は兵士を使って功績をあげ勲章や階級をあげたい。クソみたいな上官ばかり。

ラストにまさかの感動をしてしまった。狂ってると思っていたヨッサリアンは正気で優しく勇気のある人物だった。

人に勧めづらいが、でも本読みが好きな人には勧めたくなる作品。
こんなに素晴らしい作品を残したジョーゼフ・ヘラーは、いくつも作品を残していない。非常に残念だ。

テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

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