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「アルベマス」フィリップ・K・ディック

アルベマス
フィリップ・K. ディック Philip K. Dick 大瀧 啓裕
4488696139

「フィリップ・K・ディック 我が生涯の弁明」「ヴァリス」「聖なる侵入」に続き「アルベマス」を再読した。10年ぶり。当時の感想を書きとめてあったノートを読んだところ「ディックの宗教感が理解出来ない。ヴァリスの原型になった小説と言うので難しいと思ったが、読みやすかった。」などと書かれていた。

確かに、既に関連している3冊を読んでいる事もあるけれど、ディックの神秘体験以前の"SF"寄りで、宗教色も薄く"小説"として楽しむ事が出来たように思う。
最初に挙げた3冊と似通っている描写や、ディックの体験に基づく部分が書き込まれていたり、改めてディックの体験した事がディックにとって重要な事で、それを表現する為に多くの時間と言葉が必要であった事が分かる。

ディックは大好きなのに、「ヴァリス」「聖なる侵入」がちっとも面白さが分からず、挫折した経緯があるので、10年前には理解出来なかった事が、ようやく私の中で解決し、受け止める事が出来るようになった。

内容としては突っ込みたくなるような部分もあるけれど、ラストがいい。
懲役50年の刑にされてしまい、労働治療と言う肉体労働をするはめになったフィルが、作業場でレオンと言う男と語り合うシーン。未来に繋がる希望を見い出す事ができる。ディックの後期の小説は、作中ではハッピーエンドではないけれど、次に繋がる希望が残されているものが多い気がする。

今までも一番好きな作家であったけれど、彼の事をさらに知る事でますます好きになった。

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聖飢魔Ⅱ 激闘録 ひとでなし

聖飢魔2激闘録 ひとでなし
山田 晋也
487357191X私の聖飢魔Ⅱとの出会いは「蝋人形の館」。中学生の頃だった。それがきっかけでロックにも目覚めたのだ。

当時中学生だった為、ミサ(ライブ)に行く事は親の了承も取れず、経済的にも難しい事で、ひたすらレコードを聞きまくっていた。しかし、夢中になっていたのもつかの間、ギタリストのジェイル大橋代官が脱退し音楽性が変わり、私自身も違うバンドに興味を持つようになって、次第に遠ざかって行った。

その後も、TVや雑誌を通じて活躍している情報は得ていたものの、1999年の解散時も見に行かなかったし、去年の期間限定再集結の時は知らずにいて、チケットを取ろうと思った時には既にsoldout。それがきっかけで、ミサに行かれなかったものの興味がぶり返し、その中でこの本の出版を知って購入した。

聖飢魔Ⅱの結成から2005年の期間限定再集結までを、構成員や関係者のインタビューなどを元に年代を追って書かれており、注釈も丁寧で分かりやすい。当初は、ゾッドの親分や、ジェイル大橋代官の脱退の経緯や、地球デビューした頃の自分が見ていた時代の事を読みたいと思っていたが、実際読んでみて、自分が見ていたなかった時代の苦悩の期間、そこから復活する過程が興味深かった。

私も学生時代にバンドを組んでいた事があるけれど、同じメンバーで長い期間行動を共にし、活動を続けるのは容易な事ではない。バンド内の人間関係だけでなく、プロになれば関わる人間も増えてくるし、売れるための政略と言うのもあるだろう。改めて、聖飢魔Ⅱは音楽的な部分やパフォーマンスだけではなく、稀有なバンドであった事が分かる。

聖飢魔Ⅱ信者だけではなく、音楽業界に興味がある人などにもお勧めしたい一冊。

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