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「ハマボウフウの花や風」椎名誠

ハマボウフウの花や風
椎名 誠
4167334054
6編の短編を収めた短編集。
あとがきによると、小説を書くときに私小説がかったフツー小説と、SFを含む超常的小説に分かれる。この短編集はフツー小説にあたる。(かなり前に書かれているので、現在はどうかなのかは不明)。

私が椎名誠の小説を読むようになったのは、会社の同僚に勧められたのがきっかけで、その時読んだのは超常的小説(SF小説)にあたる「アドバード」等、数冊。
冒険好きな小汚いオッサン…と言うイメージしかなかったので(失礼!)、かなり衝撃的だった。こんなに素晴しい小説を書く人だったのか!と。

その後も自分でそのタイプの小説のみ(エッセイや旅行記には興味がなかったので)を探し、読んで来たが、この作品のようにフツーの小説を読むのは今回が初めて。それと知らずに読んでしまった為、変な生き物は出て来ないし(苦)、淡々を語られていて「あれ?もう終り?」と拍子抜けしたのは、最初だけで、何故かどの話しもなんて事ない話しなんだけど、引きこまれてあっと言う間に読み終えてしまった。

この魅力を他の人にも知って欲しい!!

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「最後の物たちの国で」ポール・オースター

最後の物たちの国で
ポール・オースター 柴田 元幸 Paul Auster
4560071314未来でも過去でもなく(少なくともオースター本人は未来でないと言っている)、どことも知れぬ街へ、行方不明の兄を探して辿り着いたアンナ。

その街での暮らしぶりを手紙形式で綴ってゆく。
崩壊し、死が充満している場所。生きてゆく為にはゴミ漁りをしたり、強奪したり、自分の資産を売ってお金にするしかない。しかも、物資も食料も不足している酷い有様だ。
しかし、そんな中で絶望しつつも、生き生きとしているアンナがいるお陰で、陰鬱さが薄れているように感じた。

この小説はオースターっぽくない、と言う声も聞くが、私は実にオースターらしいと思う。現実味があるにも関わらず、寓話的な不思議な雰囲気に包まれており、情景がリアルに目に浮かぶのに、とても遠いモヤっとした場所で起きている物語に思える。

今まで文庫化されたオースター作品はほとんど読んだけれど、私にとって現代の作家でどの作品もハズレのない作家はオースター以外にいない。

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「ひとりっ子」グレッグ イーガン

ひとりっ子
グレッグ イーガン Greg Egan 山岸 真
415011594Xイーガンの3冊目の短編集。7編が収録されている。

感想を書くとネタバレになってしまうので、感想が書きにくいんだけど、イーガンは長編は難解だけど、短編は読みやすいって認識が、ちょっと崩れた。面白いんだけど、難しい。もっと、自分が賢くて科学的な事とか数学的な事とか理解する能力があれば、もっと楽しめるんじゃないかと思うと悔しい。

分からなくても夢中になってしまう面白さはなんだろう。いわゆるハードSF気味なのに、温もりを感じるストーリ。でも、その温もりの奥にヒヤっとする冷たい無機質なものが横たわっていて、しこりのように心に残って引っかかる。

テクノロジーが発達し、素晴しいと思える未来の人間の進化は、実は退化なんじゃないだろうか。

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