「クラッシュ」J・G・バラード

クラッシュ (創元SF文庫)
J.G. Ballard 柳下 毅一郎
4488629121前から読んでみたかったけど、ハードカバーしかないし、内容もちょっと(エロい描写が多いらしい)・・・と、手に入れてなかったんだけど、やっと文庫になったので、さっそく読んだ。

表面的な内容だけ取り上げると、ポルノ小説とか、エロ小説というものなのかもしれないし、狂気じみた行為、思考が溢れていて、前半はページをめくる手が重かった。
通勤時に本を読むので、、卑猥な単語が出てくると背後が気になったり、読み飛ばし気味になってしまったりした。気分が悪くなるシーンもあったし、こんな話しが一体どう展開していくのか、正直ゲンナリもした。

でも、読み進むにつれて次第にのめり込んで、バラードが紡ぎだすひとつひとつの言葉がアイコン化され、現実感がない感じで、破滅に向かっていくヴォーンですら愛おしさを感じた。
見える部分ではなく、彼がこの作品に込めたテーマを読み解くのは困難に感じるが、拒絶せず引き寄せられてしまった結果からして、感覚的に受け止めることが出来たのかなと思う。
これが73年の作品というから驚きだ。まったく時代を感じさせないどころか、新しさすら感じる。

序文が非常に興味深く、「クラッシュ」を読み解くうえでのガイドになる。読み終わったあとにも序文を読み返すことをお勧めする。

でも、この作品をクローネンバーグが映画化したものは、見てみたいような見たくないような。映像を見るのは耐えられないかもしれない…。

「ニッポンありゃまあお祭り紀行」椎名 誠

ニッポンありゃまあお祭り紀行
椎名 誠
4898149162先月、椎名誠さんのトークショー&サイン会に行った時に購入した一冊。(その日の日記はこちら

基本的に本を買う時は、どーしても読みたい新刊や文庫にはならないと思われるもの以外は文庫本しか買わないので、この機会がなければ買わなかったかもしれない。
でもハードカバーではないので、通勤中にも読めたし、カラー写真もいっぱいで「お祭り」に興味がなかった私にも十分楽しめる内容だった。

うちの実家は茨城だけど、両親の代から住んでいるところだし、地域に長く根付いているお祭りも特になし。お神輿だってどこの祭りかも覚えてないけど、一回くらいしか担いだ記憶がない。それくらい無縁だったんだけど、椎名さんが取材した「ありぁまあ」なお祭りは、何百年も前から続いているものや、豊作の祈願や言い伝えなどがあって、騒いだり面白みのある祭りってだけじゃなく、歴史をちょぴっと遡って紐解いていくような楽しさもある。ただ、どこの地域も過疎化が進んでおり、若い人が少なくなって、規模が縮小しているものも多い。

たくさん掲載されている写真の人々も、いい顔をしている。こちらまで笑顔になってしまう。
1番インパクトがあったのは、沖縄のパーントゥというお祭り。全身を蔓草で覆い、腐敗した臭い泥をたぷりかけ、お面を被った神様に扮した3人が町の人に泥をつけて走り回る。泥は悪鬼祓いなどのご利益があるから、付けて欲しいけど欲しくない…。トークショーの時にも話されていたけれど、とにかく臭いそうだ。

祭りに関わらないのに勝手な言い分だけれど、引き継がれてこれからも残って欲しいなぁと思う。

ひとりごと

今年に入って、クラークが亡くなったり、J・G・バラードが癌だなんて暗いニュースばかりだったが、素晴らしいニュースが!

新潮社が来春から、トマス・ピンチョンの全小説の刊行も始めると!!
http://www.shinchosha.co.jp/kangaeruhito/high/high93.html
トマス・ピンチョンは「ヴァインランド」と「V.」しか読んだことがないけれど、最初に読みたいと思った「重力の虹」は高値で取引されているので、手に入れることが出来ず・・・。
でも、いつか手に入れて読みたいと思っていたので、他の作品も含めて刊行されるのは本当に嬉しい!!

楽しみだなぁ~♪

「見知らぬ明日」小松 左京

見知らぬ明日 (ケイブンシャ文庫)
小松 左京
476691001X久しぶりに小松左京の長編を読んだ。やっぱり面白い。

中国の奥地で何かが起きていて、戦争?内戦?と思ったら、宇宙人からの攻撃で、世界中に飛び火し、どうなっちゃうんだろう・・・って話し。

地球上の武器で太刀打ちできない相手だったら、あっという間に地球を侵略出来てしまいそうなのに、結構地味に攻撃しているとか、主人公の新聞記者が家庭をほっぽらかしで浮気したり、仕事に逃げているのは古い設定のように感じて、ちょっと突っ込みたくなるところもあったけど、細かいことはさておき、国同士の政治的なやりとりなんかは、先日読んだ「悪夢の並行世界」のような駆け引きが面白いし(リアリティが薄く古臭い事も含めて)、宇宙人の侵略ってテーマがあるのに、宇宙人については多く語られていないというのも面白い。

アンハッピーなのか、一発逆転があるのか・・・?!な終わり方も後味があって好きだし、大がかりなテーマーを細かいところまで緻密に描いているのはさすがだ。

久しぶりに読んだ小松左京の長編が結構面白かったので、続けて長編の再読に挑もう。

ちょっと調べたら、2000年に角川版の「見知らぬ明日」を読んでいた。全然覚えてなかったなぁ。ちなみに今回はハルキ文庫版。
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プロフィール

mari

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    P・K・ディック、J・G・バラード、ウィリアム・ギブソン、小松左京、ポール・オースター、F・カフカ、安部公房 etc…
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