「菜の花物語」椎名誠

菜の花物語 (集英社文庫)
椎名 誠
4087496384エッセイかと思ったらフィクションのようなノンフィクションのようなシミジミした小説。
怒ってたり、あちこち旅行されてバタバタしたエッセイとは違って、柔らかな視線でフワフワ優しい気持ちになれる(エッセイも好きだけど)。

あとがきによると、実在の人物をモデルにしたモノガタリらしい。
奥様へのプロポーズの言葉なんて、椎名さんらしくて素敵。お義母さんが亡くなった時の話しとか、奥様が仕事を辞められて、チベットに旅立った時のこととか、ハッキリ書かれているわけではないけど、静かな深い愛情を感じる。見知らぬ人からの手紙に導かれて思わず出かけてしまったり、食事に招かれて自宅でごちそうになっちゃったり、自然体な感じもいい。

最近は椎名さんのエッセイを読むことが増えたけど、たまには小説も読みたいな。

■他に最近読んだ椎名さんのエッセイ■
モンパの木の下で (文春文庫)
椎名 誠
4167334089
地球の裏のマヨネーズ (文春文庫)
椎名 誠
4167334267

テーマ : 最近読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

「虚空の眼」フィリップ・K・ディック

虚空の眼 (創元推理文庫)
大滝 啓裕
4488696082カリフォルニア州に建造された陽子ビーム偏向装置が突如事故を起こし、8人の男女がまきぞえに。その一人であるジャック・ハミルトンが病院で目覚めるも体には異常はない。しかし、次第に違和感を感じるようになり…。


最初の第二バーブ教が支配する世界が最高に面白い。
現実世界ではなく、他人の精神世界に入ってしまうという設定はユービックにも近いものがある。逃れられない悪夢の連続。怖いんだけど、バカバカしくて笑えてしまうシーンも。家に飲み込まれそうになるところなんか、B級ホラー映画みたいだし。

訳者の大瀧さんのあとがきも興味深い。

偶然にして「ジョーンズの世界」「いたずらの問題」「虚空の眼」と書かれた年代順に再読している。この初期の頃ってプロットもしっかりしてるし、安心して読めるが、逆にちょっぴり物足りなさも。 まぁ、せっかくなので年代順に読んでみようと思う。

ディックは何度読んでも最高に面白い!

テーマ : SF小説
ジャンル : 本・雑誌

「猫のゆりかご」カート・ヴォネガット

猫のゆりかご (ハヤカワ文庫 SF 353)
伊藤 典夫
4150103534ヴォネガットも、もう三作目。マイブームな作家だ。作風に慣れてきたら俄然面白い。

主人公が本を書くために、原子爆弾の父ハニカー博士の子どもたちへ手紙を書いて接触したところから始まる。ハニカー博士の子どもたちとサン・ロレンゾ島に向かい、ボコノン教に出会い、島の大統領になる羽目になり…。

ボコノン教が最高に緩くてへんてこりんな宗教で、でも心休まるようなアドバイスもあったり、ディックが作り出す宗教とも全く違うもので、非常に面白い。
ボコノン教徒が人生のからくりの複雑さや意外さを思うときに口にする言葉「目がまわる、目がまわる、目がまわる」なんて最高! 足の裏を重ね合わせる親密な行為であるボコマルも可愛いが、見つかったら死刑だ。

アイス・ナインのせいで世界が氷づけになってしまう終末的な世界すら悲壮感がなく、淡々と語られる。
読んでいる時は、メッセージを突き付けられているような押しつけがましいものは感じないが、読後にジワジワと恐怖を感じ、深く物語の意味を考えさせられる。
クールな物語なのにユーモアによって中和されているが、苦い後味が残る。この手法はスゴイと思う。

もっと早く読む機会があればまた感じ方も違ったかもしれないけど、このタイミングで読んだのが良かったのかもしれない。10年前だったら、解らなかったかも。

テーマ : SF小説
ジャンル : 本・雑誌

トルネードベースで

「トルネードベース」というWEBマガジンで、瀬名秀明、山田正紀、小松左京らの書き下ろし短編、エッセイが週一で更新掲載されている。
http://www.dot-anime.com/tb/a_songs/

瀬名さんの短編とインタビューを読んだ。
WEBで小説やら漫画やら読めるようになったけど、長文はどうにも見ずらい。
目がチカチカするし、ページを戻りたい時とかちょっと億劫。

しかし、面白い試み。
小松左京氏の回がラストなんだけど、早く読みたいなぁ。
8月には単行本が発売予定らしいので、これは買って改めてジックリと読んでみたい。
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