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小松左京氏 死去

小松左京さんが肺炎で亡くなったとのニュースが入ってきた。

高校生の頃がらずーーっとファンで、SF好きになるキッカケの人。
うちにある蔵書でも一番数が多い。

体調悪くされていたのは聞いていたんだけど、ショック過ぎて何て言ったらいいか分からない。

バラードが亡くなった時も心が空っぽになるような悲しみに襲われたけれど、それ以上だよ…力が入らない。

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「大穴」ディック・フランシス

大穴 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 12-2))
ディック・フランシス 菊池 光
4150707022本好きのお友達から戴いた一冊。こんな機会でもなければ一生読むことはなかっただろう。

ディック・フランシスの名前はもちろん知っているし、売れている競馬ミステリー作家で去年亡くなったのも知っていた。でも、競馬の事は以前付き合っていた人が競馬好きだったので多少は分かるけれども、競馬に絡んだ小難しいトリックとかは分からないしな~なんて思っていた。

ところが、舞台が競馬場だったり関係者だったりするだけで、全然競馬の知識なんて必要ない。ミステリーとしても犯人探しというよりもストーリーの面白さやキャラクターの魅力にひきこまれてしまった。

また機会があったら他の作品も読んでみたい。

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「夢の涯てまでも」ヴィム・ヴェンダース

夢の涯てまでも (集英社文庫)
ヴィム・ヴェンダース ピーター・カーレイ 蒔岡 雪子


映画のノベライズ。

確か「ベルリン天使の詩」と2本立てだったのかな?で映画館で見た。その後、もう一回くらい見た気もするんだけど。2時間半超えでありながら飽きることなく面白い!と思えた映画だった。しかし、評判はいまひとつだったらしく…未だにDVD化もされていない(海外では販売されているようだ)。

で、数年前に古本屋で見つけたのがこの一冊。映画のノベライズを読むことなんてないんだけど、上記の理由により懐かしく思い購入。買ったもののやっぱりノベライズを読むのはなぁと放置してあったんだけど、猛烈に映画が見たくなり、でも見れないのでノベライズを読むことにした。


盲目の母のために家族の映像を撮り、再現を試みる科学者の息子サム、彼氏がいるにもかかわらずサムを追い続けるクレア、クレアの彼氏の作家ユージーン 探偵に銀行強盗、舞台も モスクワ、日本 北京…と飛び回る近未来SF的ロードムービー。NHKが協力したことでも話題になったそうだ。

スケールの大きな話しで、舞台も世界中飛び回るし、日本が出てくるのも嬉しい。
途中、ガラッと展開が変ってしまうし、後半はなんだかグチャグチャで暗いものになってしまうけれど、私個人的には面白いアイディア満載だし、かなり好きなんだけどなぁ。
読みながら映画の内容を色々思いだし、やっぱり面白いと感じた。DVD欲しいなぁ…。

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フィリップ K.ディック「アジャストメント―ディック短篇傑作選」

アジャストメント―ディック短篇傑作選 (ハヤカワ文庫 SF テ 1-20)
フィリップ K.ディック 大森望
4150118051ディックだったら何でも読みたい。
が、これは過去にあちらこちらで収録されてたものを集めた短編集で、初めて目にする作品は「さよなら、ヴィンセント」「人間とアンドロイドと機械」だけだ。

久しぶりに読み返して良く覚えてない作品もあったし、懐かしく読めた作品もあった。何年経っても何度読み返しても色褪せることなく強烈な色を放っているディック作品。これからも読み続けることだろう。


とりあえず見に行って文句言おう と思っていた「アジャストメント」。
時期を逃してしまったのもあるけれど、原作からほんのちょっとのアイディアを使っているだけと耳にしたので見なかった。

「スキャナー・ダークりー」や「クローン」みたいなディックファンを唸らせる映画を作ってくれないだろうか…


「アジャストメント」浅倉久志訳(「調整班」改題)『悪夢機械』所収
映画見てないからそっちの事はなんとも言えないけど、そのまま使って話し膨らましても充分面白いのになぁ~。疑り深い奥さんと隠せない旦那さんに思わずにやり。

「ルーグ」大森望訳 『パーキー・パットの日々』所収
ディックにとって初めて売れた作品だそうだ。
昔のエイリアンの侵略的な短編。ワンコが可哀想…

「ウーブ身重く横たわる」大森望訳『パーキー・パットの日々』所収
初めて読んだ時のウーブの印象が強烈で良く覚えてた作品。
豚みたいな姿のウーブ。食べないでくれと哀願するも…しかし、知能もあって弱々しいが実は1番恐ろしい。

「にせもの」大森望訳 『パーキー・パットの日々』所収
これだけ読んだ時はさほど気に止まるような作品でもなかったけど、「クローン」を見て原作を読むと映画が良く出来ている(原作に忠実で作りもシンプルでいい)。
そして原作がオチまで含めて素晴らしい。再読して再認識した。

「くずれてしまえ」浅倉久志訳『悪夢機械』所収
コピー品を作るビルトング。「死の迷路」にも出てきたね。

「消耗員」浅倉久志訳『パーキー・パットの日々』所収
地球が蟻が開拓したもので、人間が侵略者って設定が凄い。
虫の集団になると恐ろしい…

「おお! ブローベルとなりて」浅倉久志訳『時間飛行士へのささやかな贈物』所収
スパイになるために醜いブローベルになるが…
結局、好きになった人とはすれ違い。妻の為に刀を売って簪を買う夫と、夫の為に髪を切って何買ったんだっけ?そんなおとぎ話を思い出した。

「ぶざまなオルフェウス」浅倉久志訳 『模造記憶』所収
霊感を授ける為に過去に行くも、失敗して未来が変わってしまうという…
ちょっと安易な設定のように思える。

「父祖の信仰」浅倉久志訳 『危険なビジョン』(1967年刊)『時間飛行士へのささやかな贈物』所収
共産主義の某国を皮肉っているように思える。今読んでも充分に。
ホントにみんな幻覚剤でも飲まされて洗脳されてるんじゃなかろうか。
この自分が見ているモノは真実ではなく…っていうのは、あちこちの作品に見られる。

「電気蟻」浅倉久志訳『時間飛行士へのささやかな贈物』所収
自分がロボットであった事を事故で知る。しかも経営者で人をこき使っていたつもりだったのに、実は所有者に管理されていただけだった。
しかし…とオチがつくところが、さすがディック。

「凍った旅」浅倉久志訳『悪夢機械』所収
宇宙旅行の冷凍睡眠に失敗し、自分の記憶を元にした悪夢を繰り返し見続ける。いい夢だったら見続けたいけど…

「さよなら、ヴィンセント」大森望訳) *本邦初訳
初訳というわりには短いし、なんだか良く分からない作品。

「人間とアンドロイドと機械」浅倉久志訳『解放されたSF』(1975)*文庫初収録
スピーチ原稿。小説ではないディック自信の言葉は大変興味深い。

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「スティーヴ・フィーヴァー ポストヒューマンSF傑作選」

スティーヴ・フィーヴァー ポストヒューマンSF傑作選 (SFマガジン創刊50周年記念アンソロジー)
グレッグ・イーガン ジェフリー・A・ランディス メアリ・スーン・リー ロバート・J・ソウヤー キャスリン・アン・グーナン デイヴィッド・マルセク デイヴィッド・ブリン ブライアン・W・オールディス ロバート・チャールズ・ウィルスン マイクル・G・コーニイ イアン・マクドナルド チャールズ・ストロス 山岸真
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ポストヒューマンを題材にしたSFを集めたアンソロジー。12篇収録。

お目当ては初訳のイーガンの作品。これだけの為に購入したと言ってもいい。
が、全編楽しめた。読んだことのある作家もいるし、初めての作家もいたけど、普段偏った読書をしているので色々な作品が読めるのは新たな発見もあって面白い。


・死がふたりをわかつまで  ジェフリー・A・ランディス
すれ違ってるようで最後には結びつく。短いながらも深い一遍。

・技術の結晶  ロバート・チャールズ・ウィルスン
自分の体を高価なパーツに付け替えていくが、うきうきは最初だけ。虚しい。

・グリーンのクリーム   マイクル・G・コーニイ
いつの時代も旅は楽しいもの。そして五感で感じ、共有できる人がいるとなお楽しい。
時間を短縮する乗り物だけではなく、こんな風に未来の旅行は変わるのかもしれない。しかし切ないなぁ。

・キャサリン・ホイール(タルシスの聖女)   イアン・マクドナルド
ファンタジーっぽい。機関車が疾走する美しい”絵”が目に浮かぶような作品。

・ローグ・ファーム   チャールズ・ストロス
ちょっと気持ち悪い。昔のSFみたい。

・引き潮   メアリ・スーン・リー
本を読んでいて涙腺が緩むことが時折あるが、これはもうどうしようもなく悲しい気持ちになった。電車じゃなかったら泣いてたかも。
誰がいいとか悪いとか決められない。わが子を愛するが故に悲しい決断をしなくてはならない。もうSFってジャンルで括られいては勿体ないほどの作品と思う。
アメリカとイギリスの対比も面白い。入国審査官の対応に泣けた。

・脱ぎ捨てられた男   ロバート・J・ソウヤー
自分をコピーしたら、そのコピーの意識はどうなるんだろう。
ディックの自分は何者か?とはちょっと違うけど、自分は自分なのにコピーって!という感覚は恐ろしい。オチがいまいち。

・ひまわり   キャスリン・アン・グーナン
なんとなくヤクやってるようなイメージの話しで、まぁ近いモノはあるのかもしれないけれど、ちょっと嫌悪感。

・スティーヴ・フィーヴァー   グレッグ・イーガン
やっぱりイーガン最高。
少年が家族のもとを離れてアトランタに向かう計画をする。毎晩そのルートや計画を夢で復唱していく。が、それは操られていただけ。
脱出に失敗するも祖母とともに 出発する事に…。
続きがあったらいいな、と思った。しばらくイーガン読んでないので手にしようかしら。

・ウエディング・アルバム   デイヴィッド・マルセク
最初はベタな結婚とか恋愛関係の話しかと思ったら、次第に話しが大きく展開。
自分のコピーが写真の数だけあるみたいなのって、「脱ぎ捨てられた男」もそうだけどコピーの人格とか意識を考えると、なんだか悲しい気持ちになってしまった。

・有意水準の石    デイヴィッド・ブリン
自分が神のような存在になり世界を作っている。試練を与えたりご褒美あげたり。小松左京の小説でも似たようなものがあったな。実は…っていうオチも一緒。

・見せかけの生命    ブライアン・W・オールディス
ブライアン・W・オールディスといえば「地球の長い午後」。20年くらい前に読んだ時はつまらなく感じたんだけど、今読んだら違った受け止め方するだろうか。
銀河系博物館っていう舞台は面白いと思ったけど、噛み合わない愛のささやきは退屈に感じた。

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