「クラッシュ」J・G・バラード

クラッシュ (創元SF文庫)
J.G. Ballard 柳下 毅一郎
4488629121前から読んでみたかったけど、ハードカバーしかないし、内容もちょっと(エロい描写が多いらしい)・・・と、手に入れてなかったんだけど、やっと文庫になったので、さっそく読んだ。

表面的な内容だけ取り上げると、ポルノ小説とか、エロ小説というものなのかもしれないし、狂気じみた行為、思考が溢れていて、前半はページをめくる手が重かった。
通勤時に本を読むので、、卑猥な単語が出てくると背後が気になったり、読み飛ばし気味になってしまったりした。気分が悪くなるシーンもあったし、こんな話しが一体どう展開していくのか、正直ゲンナリもした。

でも、読み進むにつれて次第にのめり込んで、バラードが紡ぎだすひとつひとつの言葉がアイコン化され、現実感がない感じで、破滅に向かっていくヴォーンですら愛おしさを感じた。
見える部分ではなく、彼がこの作品に込めたテーマを読み解くのは困難に感じるが、拒絶せず引き寄せられてしまった結果からして、感覚的に受け止めることが出来たのかなと思う。
これが73年の作品というから驚きだ。まったく時代を感じさせないどころか、新しさすら感じる。

序文が非常に興味深く、「クラッシュ」を読み解くうえでのガイドになる。読み終わったあとにも序文を読み返すことをお勧めする。

でも、この作品をクローネンバーグが映画化したものは、見てみたいような見たくないような。映像を見るのは耐えられないかもしれない…。

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