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「猫のゆりかご」カート・ヴォネガット

猫のゆりかご (ハヤカワ文庫 SF 353)
伊藤 典夫
4150103534ヴォネガットも、もう三作目。マイブームな作家だ。作風に慣れてきたら俄然面白い。

主人公が本を書くために、原子爆弾の父ハニカー博士の子どもたちへ手紙を書いて接触したところから始まる。ハニカー博士の子どもたちとサン・ロレンゾ島に向かい、ボコノン教に出会い、島の大統領になる羽目になり…。

ボコノン教が最高に緩くてへんてこりんな宗教で、でも心休まるようなアドバイスもあったり、ディックが作り出す宗教とも全く違うもので、非常に面白い。
ボコノン教徒が人生のからくりの複雑さや意外さを思うときに口にする言葉「目がまわる、目がまわる、目がまわる」なんて最高! 足の裏を重ね合わせる親密な行為であるボコマルも可愛いが、見つかったら死刑だ。

アイス・ナインのせいで世界が氷づけになってしまう終末的な世界すら悲壮感がなく、淡々と語られる。
読んでいる時は、メッセージを突き付けられているような押しつけがましいものは感じないが、読後にジワジワと恐怖を感じ、深く物語の意味を考えさせられる。
クールな物語なのにユーモアによって中和されているが、苦い後味が残る。この手法はスゴイと思う。

もっと早く読む機会があればまた感じ方も違ったかもしれないけど、このタイミングで読んだのが良かったのかもしれない。10年前だったら、解らなかったかも。

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