「石の眼」 安部公房

石の眼
安部 公房
4101121109今まで数冊、彼の作品を読んできたが、これは随分異質だ。
抽象的ではなく、現実的で一見推理小説を読んでいるかのような作品。

山奥のダム建設現場で繰り広げられる、人間模様や被害妄想。
手抜き工事を隠すための画策や、不自然な事故?による犯人探し、現場で働く囚人を始末する為にやってきた殺し屋・・・
いろいろな要因が入り乱れて、推理小説風なんだけど、誰が犯人?とか誰が殺した??って謎解きじゃなくて、何がどうなっているのか、が分からなくなってくる(苦)

今、耐震強度偽装問題が話題になっているが、
何時の時代も、何処の社会も同じような事が行われ、繰り返されているのだと感じる。
この小説が書かれたのは昭和30年代だもの。

異質と感じたこの小説。
でもやっぱり安部公房だと、思うのは、
山あいの寂しさや、工事現場の埃っぽさ、男ばかりの男臭さ、湿った空気の淀みなどが漂っていて、ジットリと重たい・・・このイヤな感じ。
小説から滲み出てくる この湿度感、空気の重さは安部公房ならではだ、と思う。

テーマ : **本の紹介**
ジャンル : 本・雑誌

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mari

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