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フィリップ K.ディック「アジャストメント―ディック短篇傑作選」

アジャストメント―ディック短篇傑作選 (ハヤカワ文庫 SF テ 1-20)
フィリップ K.ディック 大森望
4150118051ディックだったら何でも読みたい。
が、これは過去にあちらこちらで収録されてたものを集めた短編集で、初めて目にする作品は「さよなら、ヴィンセント」「人間とアンドロイドと機械」だけだ。

久しぶりに読み返して良く覚えてない作品もあったし、懐かしく読めた作品もあった。何年経っても何度読み返しても色褪せることなく強烈な色を放っているディック作品。これからも読み続けることだろう。


とりあえず見に行って文句言おう と思っていた「アジャストメント」。
時期を逃してしまったのもあるけれど、原作からほんのちょっとのアイディアを使っているだけと耳にしたので見なかった。

「スキャナー・ダークりー」や「クローン」みたいなディックファンを唸らせる映画を作ってくれないだろうか…


「アジャストメント」浅倉久志訳(「調整班」改題)『悪夢機械』所収
映画見てないからそっちの事はなんとも言えないけど、そのまま使って話し膨らましても充分面白いのになぁ~。疑り深い奥さんと隠せない旦那さんに思わずにやり。

「ルーグ」大森望訳 『パーキー・パットの日々』所収
ディックにとって初めて売れた作品だそうだ。
昔のエイリアンの侵略的な短編。ワンコが可哀想…

「ウーブ身重く横たわる」大森望訳『パーキー・パットの日々』所収
初めて読んだ時のウーブの印象が強烈で良く覚えてた作品。
豚みたいな姿のウーブ。食べないでくれと哀願するも…しかし、知能もあって弱々しいが実は1番恐ろしい。

「にせもの」大森望訳 『パーキー・パットの日々』所収
これだけ読んだ時はさほど気に止まるような作品でもなかったけど、「クローン」を見て原作を読むと映画が良く出来ている(原作に忠実で作りもシンプルでいい)。
そして原作がオチまで含めて素晴らしい。再読して再認識した。

「くずれてしまえ」浅倉久志訳『悪夢機械』所収
コピー品を作るビルトング。「死の迷路」にも出てきたね。

「消耗員」浅倉久志訳『パーキー・パットの日々』所収
地球が蟻が開拓したもので、人間が侵略者って設定が凄い。
虫の集団になると恐ろしい…

「おお! ブローベルとなりて」浅倉久志訳『時間飛行士へのささやかな贈物』所収
スパイになるために醜いブローベルになるが…
結局、好きになった人とはすれ違い。妻の為に刀を売って簪を買う夫と、夫の為に髪を切って何買ったんだっけ?そんなおとぎ話を思い出した。

「ぶざまなオルフェウス」浅倉久志訳 『模造記憶』所収
霊感を授ける為に過去に行くも、失敗して未来が変わってしまうという…
ちょっと安易な設定のように思える。

「父祖の信仰」浅倉久志訳 『危険なビジョン』(1967年刊)『時間飛行士へのささやかな贈物』所収
共産主義の某国を皮肉っているように思える。今読んでも充分に。
ホントにみんな幻覚剤でも飲まされて洗脳されてるんじゃなかろうか。
この自分が見ているモノは真実ではなく…っていうのは、あちこちの作品に見られる。

「電気蟻」浅倉久志訳『時間飛行士へのささやかな贈物』所収
自分がロボットであった事を事故で知る。しかも経営者で人をこき使っていたつもりだったのに、実は所有者に管理されていただけだった。
しかし…とオチがつくところが、さすがディック。

「凍った旅」浅倉久志訳『悪夢機械』所収
宇宙旅行の冷凍睡眠に失敗し、自分の記憶を元にした悪夢を繰り返し見続ける。いい夢だったら見続けたいけど…

「さよなら、ヴィンセント」大森望訳) *本邦初訳
初訳というわりには短いし、なんだか良く分からない作品。

「人間とアンドロイドと機械」浅倉久志訳『解放されたSF』(1975)*文庫初収録
スピーチ原稿。小説ではないディック自信の言葉は大変興味深い。

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