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「他人の顔」 安部公房

他人の顔
安部 公房
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この作品を安部公房の傑作のひと作品にあげる人が多いようだが、なんとも私は妙に現実的に捕らえてしまって、冷めた感覚で読み進めてしまったため、今まで読んだ安部公房の作品の中では、いまいち・・・であった。

実験中の爆破により、顔一面に蛭のようなケロイドが出来てしまった男は、自分の顔を失い、普段は包帯を顔に巻いて生活を送っている。顔を包帯で覆っている事で、妻や職場の同僚たちとの距離が広がり、街に出ても奇異の目で見られる。
そんな彼が、仮面を作り、自分の顔を自分を取り戻そうとする様が、彼が書きづつったノートを通して語られる物語だ。

人の良し悪しは見た目(顔)じゃないよ、中身(心)だよ・・・ なんて言うが、実際、我々は第一印象や顔で判断する事が少なくない。醜い顔でも、包帯を巻いた顔でもいようものならば、好奇の目に晒され、陰口を叩かれるのが常だ。
自分の顔を取り戻したいと思う気持ちは良く分かる。

ただ、内容はともかく、自分で作った仮面を接着剤で貼り付けて、街を歩いたり、銭湯に行ったり、あげく、他人のふりをして妻を誘惑する。不自然過ぎるし、妻にバレナイわけないだろう・・・なんて思い始めたら、作品との距離が広がり過ぎてしまって、まともに読めなくなってしまった・・・。
他の安部公房の作品はそんな事ないし、読んだ物はどれも好きなんだけど・・・。

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