「模造記憶」P.K. ディック

模造記憶 (新潮文庫)
P.K. ディック 浅倉 久志
4102255028最近、ディックの短編集を読んで、読んだはずなのに覚えてない作品もあり、短編の面白さを再発見して古い短編集を取りだした。最後に読んだのはいつだろう?短編はあまり再読しないから、20代の頃に買って一度も読み返していないかもしれない。

やっぱりディックは最高!短編もめちゃくちゃ面白い。そして浅倉さんの訳は安心して読める。


「想起装置」
段差と言うか高いところに不安を覚えて精神科に行った男。不安の元を探る為に医師が使った装置で、未来を予知してそれに怯えている事が分かる。別の男がこの医師のもとに訪れ、同じ検査をしたところ…という話し。アイディアが他にはないディックらしい話し。


「不屈の蛙」
「変数人間」で、先日読んだばかりなのでスルー。


「あんな目はごめんだ」
こちらも「変数人間」で読んだ。


「この卑しい地上に」
タイトルが魅力的。ファンタジーのような話で、天使や炎の描写が美しい。途中から、すべての人間が死んで生き返ったシルヴィアになってしまい、ハッピーで終わらない。美しい映画だと感動していたのに、ホラー映画になってしまったような胸くそ悪さがあるが、好きな作品。
 

「ぶざまなオルフェウス」
これは2年前に「アジャストメント―ディック短篇傑作選」 で読んだが、また読んでみた。
過去に遡って、歴史的人物にインスピレーションを与える役を請け負った男が失敗してしまう。過去を変えると歴史が変わってしまうのはタイムトラベルの定説だが、ディックが絡むと一味違う。
 

「囚われのマーケット」
ディックが描くオバサンって、ちょっと意地悪でがめつく怖いイメージ。雑貨店を営む夫人が偶然見つけた場所は、未来につながっている。そこでは核戦争で荒廃した地球から脱出しようとする人々がおり、彼らに必要なものを夫人が届ける。ラストがゾワゾワ。
 

「欠陥ビーバー」
あの、木を削る動物のビーバーなんだけど、ビーバー人間みたいな感じで、しゃべったり手紙を書いたり。途中からなんだか良く分からない話に。ビーバーを通して何か語りたかったのか。

 
「ミスター・コンピューターが木から落ちた日」
コンピューター制御された世界。しかし完璧ではなくトラブルを起こす。それを直すために冷凍睡眠されている人間が起こされる。ありがちな話しのようだけれど、コンピューターを治すには、自殺願望のあるレコード店員の治療をしないくてはいけない。分かるような分からないような(笑)
 

「逃避シンドローム」
主人公の男が自分はガニメデで妻を殺して地球に逃げてきたと思っていたのだが、妄想だと言われる。何が本当で何が嘘なのか。頭が混乱する。しかし、これぞディックワールド。
 

「逆まわりの世界」
逆回りの会話が面白い。長編を読みたくなった。
 

「追憶売ります」
久しぶりに読んだが最高に面白い。「トータル・リコール」の原作だが、ディック原作の映画はイマイチのものもあるが、「トータル・リコール」は映画としても面白かった。しかし、原作はもっと面白い!
火星旅行に行きたい主人公は、旅行するお金はないので、火星に行ったという完璧な記憶を入れてくれる会社を訪れる。しかしそこで、実は火星に行った事があり、重要なミッションを行って記憶を消されていた事が分かる。スリリングでテンポも良い。
 

「不思議な死の記憶」
賃貸で住んでいた部屋を買い取って住む事になった男のつぶやきみたいな感じなんだけど、??だから何が言いたいのか?という作品。まぁ傑作もあり、こういう作品もあるのがディック。

テーマ : 最近読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

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mari

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