「小さな黒い箱 (ディック短篇傑作選)」フィリップ・K・ディック

小さな黒い箱 (ディック短篇傑作選)
フィリップ・K・ディック 大森望
4150119678この短編のシリーズが出始めた頃は、読んだ作品が多いし、別に買わなくても…でも書籍初収録とかもあるしなぁ~と思いながら買ったら、やっぱりディックは面白い!

再読が久しぶりの作品も、何度も読んでいる作品も味わい深く、長編とはまた違った濃さがある。今回もタイトルを見ただけで読んだ作品が多いが購入。いい。


「小さな黒い箱」
「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」の元になった作品。この短編凄く好き。「アンドロイド~」も大好きだけど、短編ならではの凝縮された完成度がいい。マーサー教の痛みを分かち合うって考えは好き。

「輪廻の車」
前に読んで覚えているのでパス。

「ラウタヴァーラ事件」
異星人とはきっと何も分かりあえないのだろうと思った。「神」に対するとらえ方って少なくとも地球上では色々な宗教があって理解しがたいものもあるだろうけれど、根本的な部分んは信じる信じないでなく分かる。そう考えると宇宙人って憧れというかいたらいいな~とは思うけれど、実際はとても恐ろしいのかもしれない。

「待機員」
電子頭脳が世界を支配したり守るって設定は良くあるけど、壊れた時にどうするか?って言う話しは興味深い。しかし火星人が来てるのに切迫感がない(笑)

「ラグランド・パークをどうする?」
「待機員」の続編。まさか続編があるとは。違った視点で描かれているけれど、なんだか緩い。

「聖なる争い」
ガムのおもちゃがまさかの。途中まで全然和分からなくてドキドキしながら読んでしまった。真剣に書かれてるんだもの。

「運のないゲーム」
サーカスって言うとブラッドベリを思い出す。サーカスの景品を使って侵略してくるなんて酷い。ディックの描く火星での生活は暗くて寂しくて灰色。

「傍観者」
清潔党と自然党の対立。読んで間もないのでパス。

「ジェイムズ・P・クロウ」
機会に支配された世界で人間がトップにのし上がって、彼らを追い出してしまう。カッコいい感じもするけれど、このクロウが曲者っぽい感じがして、その後が怖い。

「水蜘蛛計画」
実在の人物が出てくるのが、良く知っている人物だったらもっと面白いんだろうな。未来ではSF作家が予知能力者と思われているのが面白い。

「時間飛行士へのささやかな贈物」
これはとても切なくて暗い。表題作になった短編集を前に読んだ時とは違った印象。時間旅行が可能になったら色々な事故がありそう。

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