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「楽園への疾走」 J・G・バラード

楽園への疾走
J・G・バラード 増田 まもる
4488016472J・G・バラードの新刊。
私は文庫派だけれど(ハードカバーは重くて持ち歩けない、値段が高いので)、文庫にならなそうだし(苦)、今は仕事しておらず自宅で本が読めるので、買っちゃいました。


ひょんな事から環境保護活動を行っている中年女医のドクター・バーバラと行動を共にする事になった16歳の少年ニールは、アホウドリを救うべく、タヒチ沖に浮かぶサン・エスプリ島へ向かう。
賛同者も集まり、抗議活動も順調に進んでいるかと思われたが、世間との繋がりを絶った孤島の楽園は、ジワジワと狂気に蝕まれていく。


バラードの描く美しくも破滅に向かっていく世界にいつの間にか取り込まれてしまい、気づいた時には後戻り出来ず首根っこを掴まれ、逃れられなくなる。
バラードの代表作である「破滅三部作」(「燃える世界」「沈んだ世界」「結晶世界」)や、私が初めてバラードに出会った「夢幻会社」、最近読んだ「コカイン・ナイト」の流れを引継ぎつつ、更に強烈に迫ってくるリアルさに、誰が正気なのか、何が現実なのか、読みながら感覚が麻痺してゆく。

読み終えた時には、悪夢から目覚めて「ホッ」とした感覚を覚えた。

実際に起きてもおかしくないし、人間ってこうやって狂ってゆくのかもしれない。

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