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2008/06/11 / 00:00
代筆屋 (幻冬舎文庫 つ 1-7)
辻 仁成
小説家としてまだ一人前でない主人公が、「代筆屋」として手紙を書くことを依頼され、依頼主の想いを汲み取り、受け取る相手の事を想い、代筆するいくつかのエピソード、手紙が収められている。
人に代わって手紙を書くって、相手にバレないのかなぁ。分からないもんだろうか。
本来ならば自分で書いて当たり前と思うことだけれど、こういう事を必要としている人もいるんだろうな。
読み終わって温かい気持ちになった一方、こんなにうまくいく事ばかりじゃないだろう…と捻くれた考えも沸いてしまった。
メールが普及した今では、手紙を書く機会はめっきり減り、受け取る事も少なくなった。
中高生の頃、文通していた友達が何人かおり、手紙を書く楽しみ、ポストを覗き手紙を待つ楽しみがあったなぁ。
手紙って、声に出して伝える事がテレ恥ずかしい事や、うまく言葉に出来ない事などを相手に伝える事が出来るし。
そう分かっていても、忙しいの一言で不精になってしまうが、また手紙を書いてみようかな、と思った。
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2008/06/07 / 15:12
さらば国分寺書店のオババ (新潮文庫)
椎名 誠
知らずに読み始めたんだけど、なんとこの作品、椎名さんのデビュー作。30年近く前に出版され、文庫になったのは17年後。そのへんのエピソードはあとがきで。
この頃から世間に対して激しく怒ってたのだねぇ。そんなに言っちゃっていいの?と心配になるほどの怒りよう。国鉄や警察官などの公務員に怒り、マスコミ関係のパーティでお寿司が食べれなかった事に怒り、古本屋のオババに怒りを燃やす。頭の血管ブチキレちゃうんじゃないかと思う程怒り狂っている。
が、最後にやっぱり公務員は必要だよね、オババも実はいろいろな苦労があって…とフォローに回ってる。でもイヤミなフォローではなく、冷静に物事を見つめ直し、見方を変えて導き出された結論なのだ。
「古本屋のオババ、ムカつくね!」と一緒になって怒っていた私も、最後にはなんだか切ない気分になってしまった。
最近は大型チェーンの古本屋が増えて、昔ながらのこじんまりとした店舗でジーちゃんバーちゃんが経営している古本屋って少なくなったし、ネットで探せば欲しい古本も簡単に手に入れることが出来るようになった。でもあの薄暗い店内を隅々まで見回して、掘り出し物を見つけた瞬間の喜びは他では味わえない。
なんか古本屋に行きたくなってきた(笑)
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2008/05/22 / 00:00
戦争廃墟
石本 馨 
「廃墟」写真が好きで、いつか写真集が欲しい…と思っていた。
ある本屋へ立ち寄った時に、廃墟、建築写真集などを集めたコーナーがあり、釘付けに。一冊だけ買おうと決めて手にしたのがこの本。
太平洋戦争にも関心があり、映画やドキュメンタリーやドラマなどではなく、歴史の真実、体験された方の証言などを知りたいと思っていて、目に留まったものがあった時には読んだりしている。
戦争跡地のカラー写真や説明が非常に豊富なのが決め手になったんだけど、読んでいて驚かされのは、中ほどのモノクロページ。知らずに買ったんだけど、1番衝撃を受けた。「人間魚雷 回天」「水上特攻 震洋」「人間機雷 伏龍」「人間爆弾 桜花」などの特攻兵器についての写真、イラスト、そして訓練をして生き延びた方の証言が収められている。
兵器の名前からして漫画ようだが、兵器のイラストや写真を見ると仰天するような作りだ。特攻兵器と言えばゼロ戦くらいしか知らなかったので、こんなお粗末なものに乗り込んで戦おうとしていたのか(戦っていたのか)と思うと言葉がない。
また証言している方が、自分1人の命で多くの日本人の命が救われるならば惜しくはないという気持ちだった という言葉を目にして、今の私たちの命があるのは、日本に平和があるのは、戦争で犠牲になった多くの人たちの命、想いの上にあるのだと痛感させられ、頭を下げたい気持ちになった。
ある方は、もしまた日本で戦争があって行くか?と聞かれたら、この歳で足手まといになるかもしれないけれど、志願したいと言っている。
今の日本で、国のため、日本の同胞のために自分の命は惜しくないと思える人たちがどれくらいいるのだろうか。自分勝手な言い分で人を殺めたり、凶行に及ぶ者のニュースや、自ら命を落とす若者のニュースが絶えないが、命の尊さについて改めて考えて欲しい。
あとがきに、収録しきれなかった特攻の話しをまとめた証言集があるというので、さっそくamazonで注文した。
私がなぜ廃墟が好きなのかというと、かつての活気があった時代を夢想し、建物の形状や色合いを想像し、そこにいた人々の息遣いなどを感じ取りたいと思うからだ。
今まで旅行したことのある場所(長崎、小笠原)も載っていたので、また行くことがあった時には、是非体感したい。
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2008/05/10 / 16:59
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2008/05/09 / 00:00
地球どこでも不思議旅 (集英社文庫)
椎名 誠 
メキシコでルチャリブレ観戦、中国で万里の長城に行き、美味しいラーメンを求め、日本の田舎宿にブ〜たれる椎名さんの旅行記。
出版が1985年というからかなり古い。メキシコに行った時に出会ったのが、新日本プロレスの小林邦昭、ジョージ高野…なんて、いつの話しだ!?って感じで可笑しい。
日本の宿の名前なんかも実名で批判してるけどいいのかしら??かなり辛口ご立腹。でも、せっかくの旅行で宿が酷いとテンション下がるもんね。いい宿に泊まるのがいいって意見は私も同意。
文句ばっかり言ってるようで、不満なりに楽しんでいるのもいい。
椎名さんの本を読んでると、美味しい物を食べたり、旅行したくなるなぁ〜。
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2008/04/24 / 00:00
クラッシュ (創元SF文庫 ハ 2-11)
J.G.バラード 柳下 毅一郎
前から読んでみたかったけど、ハードカバーしかないし、内容もちょっと(エロい描写が多いらしい)・・・と、手に入れてなかったんだけど、やっと文庫になったので、さっそく読んだ。
表面的な内容だけ取り上げると、ポルノ小説とか、エロ小説というものなのかもしれないし、狂気じみた行為、思考が溢れていて、前半はページをめくる手が重かった。
通勤時に本を読むので、、卑猥な単語が出てくると背後が気になったり、読み飛ばし気味になってしまったりした。気分が悪くなるシーンもあったし、こんな話しが一体どう展開していくのか、正直ゲンナリもした。
でも、読み進むにつれて次第にのめり込んで、バラードが紡ぎだすひとつひとつの言葉がアイコン化され、現実感がない感じで、破滅に向かっていくヴォーンですら愛おしさを感じた。
見える部分ではなく、彼がこの作品に込めたテーマを読み解くのは困難に感じるが、拒絶せず引き寄せられてしまった結果からして、感覚的に受け止めることが出来たのかなと思う。
これが73年の作品というから驚きだ。まったく時代を感じさせないどころか、新しさすら感じる。
序文が非常に興味深く、「クラッシュ」を読み解くうえでのガイドになる。読み終わったあとにも序文を読み返すことをお勧めする。
でも、この作品をクローネンバーグが映画化したものは、見てみたいような見たくないような。映像を見るのは耐えられないかもしれない…。
2008/04/09 / 00:00
ニッポンありゃまあお祭り紀行
椎名 誠
先月、椎名誠さんのトークショー&サイン会に行った時に購入した一冊。(その日の日記はこちら)
基本的に本を買う時は、どーしても読みたい新刊や文庫にはならないと思われるもの以外は文庫本しか買わないので、この機会がなければ買わなかったかもしれない。
でもハードカバーではないので、通勤中にも読めたし、カラー写真もいっぱいで「お祭り」に興味がなかった私にも十分楽しめる内容だった。
うちの実家は茨城だけど、両親の代から住んでいるところだし、地域に長く根付いているお祭りも特になし。お神輿だってどこの祭りかも覚えてないけど、一回くらいしか担いだ記憶がない。それくらい無縁だったんだけど、椎名さんが取材した「ありぁまあ」なお祭りは、何百年も前から続いているものや、豊作の祈願や言い伝えなどがあって、騒いだり面白みのある祭りってだけじゃなく、歴史をちょぴっと遡って紐解いていくような楽しさもある。ただ、どこの地域も過疎化が進んでおり、若い人が少なくなって、規模が縮小しているものも多い。
たくさん掲載されている写真の人々も、いい顔をしている。こちらまで笑顔になってしまう。
1番インパクトがあったのは、沖縄のパーントゥというお祭り。全身を蔓草で覆い、腐敗した臭い泥をたぷりかけ、お面を被った神様に扮した3人が町の人に泥をつけて走り回る。泥は悪鬼祓いなどのご利益があるから、付けて欲しいけど欲しくない…。トークショーの時にも話されていたけれど、とにかく臭いそうだ。
祭りに関わらないのに勝手な言い分だけれど、引き継がれてこれからも残って欲しいなぁと思う。
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2008/04/08 / 14:26
今年に入って、クラークが亡くなったり、J・G・バラードが癌だなんて暗いニュースばかりだったが、素晴らしいニュースが!
新潮社が来春から、トマス・ピンチョンの全小説の刊行も始めると!!
http://www.shinchosha.co.jp/kangaeruhito/high/high93.html
トマス・ピンチョンは「ヴァインランド」と「V.」しか読んだことがないけれど、最初に読みたいと思った「重力の虹」は高値で取引されているので、手に入れることが出来ず・・・。
でも、いつか手に入れて読みたいと思っていたので、他の作品も含めて刊行されるのは本当に嬉しい!!
楽しみだなぁ〜♪
2008/04/07 / 00:00
見知らぬ明日 (ハルキ文庫)
小松 左京 
久しぶりに小松左京の長編を読んだ。やっぱり面白い。
中国の奥地で何かが起きていて、戦争?内戦?と思ったら、宇宙人からの攻撃で、世界中に飛び火し、どうなっちゃうんだろう・・・って話し。
地球上の武器で太刀打ちできない相手だったら、あっという間に地球を侵略出来てしまいそうなのに、結構地味に攻撃しているとか、主人公の新聞記者が家庭をほっぽらかしで浮気したり、仕事に逃げているのは古い設定のように感じて、ちょっと突っ込みたくなるところもあったけど、細かいことはさておき、国同士の政治的なやりとりなんかは、先日読んだ「悪夢の並行世界」のような駆け引きが面白いし(リアリティが薄く古臭い事も含めて)、宇宙人の侵略ってテーマがあるのに、宇宙人については多く語られていないというのも面白い。
アンハッピーなのか、一発逆転があるのか・・・?!な終わり方も後味があって好きだし、大がかりなテーマーを細かいところまで緻密に描いているのはさすがだ。
久しぶりに読んだ小松左京の長編が結構面白かったので、続けて長編の再読に挑もう。
ちょっと調べたら、2000年に角川版の「見知らぬ明日」を読んでいた。全然覚えてなかったなぁ。ちなみに今回はハルキ文庫版。
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2008/03/19 / 15:31
スローターハウス5 (ハヤカワ文庫 SF 302)
カート・ヴォネガット・ジュニア 伊藤 典夫 
前からタイトルも作者名も良く知っていて、ずっと読んでみたいと思っていた。たまたま入った本屋で平積みにされていたので、購入。
SFと思ってたんだけど、これは・・・どう解釈したらいいんだろう。
予備知識全くない状態で読み始めて、戸惑ってしまった。なんだか頭の整理がつかなくて、何度か読み直したりした。
確かに宇宙人が出てきたり、時間を行ったり来たりするのはSF的だけれど、第二次世界大戦時のドレスデンの大虐殺の事が背景にある作者自身の自伝的小説で、重いテーマも含まれている。第二次世界大戦の傷痕は日本だけでなく、多くの国で、多くの人の心に深く刺さっているのだなと改めて思わされた。
戦争の体験を元にかかれたSFといえば、自分で読んだものでは小松左京が浮かぶが、違った角度(国)から読むことも必要だなと思う。
他の作品もタイトルを良く目にしていたものもあるので、読んでみたいとは思うけれど、重く引きずるような後味がいまだに残ってるので、それが落ち着いてからにしたい。
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